2011年3月11日、東日本における未曾有の震災は世界中の人々の励ましと、ご支援に支えられ
その復興活動は続いております。
10世紀に及ぶ歴史を持つとされる高傳寺の至宝、大涅槃図は制作より300年の歳月を経て、
2010年、2年間の大修復を完了し国立九州博物館にて公開されました。涅槃図の文化財としての
真価は同館で開催された日韓文化交流展という形において発揮されたのであります。
佐賀市民による文化財保護の有り方として涅槃塔建立の必要性が地元報道紙によって、広く内外に
認識されることとなり、此処、米国ロサンゼルスにて高傳寺展を開催し、世界各国からの震災復興支援
への感謝と共に「再生の願い」が海を越えて共有できる事の深い意義に、文化交流の一里塚として
記念されることを信じております。日米の終戦は明治以来築かれてきた近代国家の終焉であり
同時に民主主義国家の幕開でありました。
伝統的仏教文化は様々な形において息づきを発信しています。この度公開される高傳寺涅槃図は
【文化財保護法】に基づき修復再生された日本最大の涅槃図"掛軸"の展示であり、其処には
日米両国の歴史の間に"再生"された"美"があります。仏教文化の神髄としての涅槃図が、あらゆる
"生命の尊厳"をメッセージとして伝えられることを嬉しく思います。本展示会実現に御尽力を
頂きました日米両国の関係者に深く感謝し両国民の更なる交流と世界の平和を心より願うとこであります。
日本国内の最大級の涅槃図を中心にした、佐賀県、高傳寺所蔵の秘宝、数々をここロサンゼルスで一般公開するという歴史的試みにより、日本仏教の美術を通じて(仏教の真髄)に触れることは、より一層の日米の文化的交流の理解と発展に寄与し得るものと確信しています。
本事業の発端は、平成22年3月、九州国立博物館に於ける高傳寺大涅槃図の修復事業に関わる文化事業として実現された大涅槃図の公開と「日韓文化交流展」にあり、本事業の企画は高傳寺の歴史的使命として企画されたものであります。
大涅槃図の『修復と公開』を縁とした本事業の企画は、米国在住の日本人有志により強く推進され、米国内事務局:非営利法人として認可されるに至っております。
米国事務局と致しましては本事業を仏道の(行)として取り組んで来られた高傳寺住職の熱意とご指導の縁に感謝し、併せて賛同と協力を心より念願するところであります。
本公開の趣旨にご理解を頂き、ご賛同頂いた個人、企業の方々のご寄付により本事業の達成を期するところであります。
尚、本展示会における寄付金は2011年3月11日に発生した東日本大震災の復興支援金とさせて頂く所存です。
何卒、ご理解、ご協力賜りたくよろしくお願い申し上げる次第でございます。
公開期間:2014年10月23日(木)~10月27日(月)
展示場所:ロサンゼルスユニオンステーション 特設会場
主要展示品
大涅槃図
高傳寺十王図 掛軸
高傳寺16羅漢 掛軸 ほか
今回の展示会場となるユニオンステーションはダウンタウン中心地の北東に
位置し、リトル東京から徒歩10分程に位置する。
この駅は1939年に開業されアムトラック、メトロリンク、メトロレールの発着する駅で、
通勤・通学などを始めとしたロサンゼルスの交通の拠点となっている。
駅舎はパーキンソン父子を
中心とした何人かの建築家たちによって設計され、ダッチコロニアル様式、ミッションリバイバル様式、
ストリームライン・モダン様式の折衷で、歴史を感じさせる特徴のある美しい建物である。
また、
内部の壁の下部はトラバーチンで、上部は音響効果タイルで出来ており、垂木から下がるアールデコ調の
照明が更に落ち着いた雰囲気をかもし出している。
映画の都ハリウッドらしく、この駅舎を利用して
実に数多くの映画、ドラマが撮影されている。