本事業は高傳寺涅槃図修復事業との一体事業として【文化財保存・管理・活用】に基づき高傳寺の最終的目標として活動されている発願事業です。
高傳寺『大涅槃図』は涅槃図で我が国最大とされ『大涅槃図』の全体展示を可能とする《御堂》建設が悲願とされています。
高傳寺涅槃図修復事業における成果について(1)
従来、高傳寺涅槃図については有名な葉隠れの記述(京都東福寺涅槃図の模写)の観念が一般化されていた。
しかし、高傳寺涅槃図制作より300年の歳月を経ての本格修理により本涅槃図が京都東福寺涅槃図の大きさを約3分の1(5m)超える日本最大の涅槃図であることが証明された。
平成22年3月13、14日の両日、九州国立博物館において一般公開された涅槃図は制作より初の全体展示とされている。
公開された涅槃図の大きさと荘厳さは当日訪れた九州国立博物館の多くの人に感動を与えた事は実に歴史の立ち会ったことであった。
本涅槃図が日本に一つしかない(国の宝)としての貴重な文化財であることが証明された歴史的瞬間であった。
高傳寺涅槃図修復事業における成果について(2)
葉隠れと言う佐賀(鍋島藩)の歴史書の研究においても興味深い成果であったと思われます。
高傳寺の大涅槃図は宝永3年(1706年)鍋島藩主3代綱茂公の発願により制作、高傳寺に寄進されました。
京都・東福寺の涅槃図(明兆筆)を基として制作され、その大きさは原本を越え、本邦最大級。縦15.2m・横6mの広さの和紙に彩色で描かれております。
制作から300年以来の大修理として歴史的な意義をもつ文化事業が行われました。
佐賀の歴史的遺産としての“葉隠”と共に、後世に引き継がれるべき貴重な文化財としてたいへん注目されております。